ヨーロッパ旅日記⑦

Gaspard2006-03-25

 スロヴァキア編「マリア・テレジアの居城」



ハンガリーユースホステルで知り合った人が駅までついて来た。




そいつは金をルーマニアで盗まれたらしい。だから無一文らしいのだ。金が欲しいのか?と思ったが金を要求する仕草は見せない。駅で「なにもしてあげられないよ」と言った。そしたら今まで親切にしてくれた表情が一変。突然つかみかかるような勢いで罵声をあび、去っていった。彼が本当にお金が欲しかったのか、ただついてきただけなのかはわからないけど。なにか憂鬱な気分だけが残った。自分の行動が正しかったのかと。

"i can't do anything for you"・・・その言葉があの場面で不適切な言葉だったのか?いくら考えてもわからなかった。むしろ考えたくなかった。そんな気分でスロヴァキアへむかう。自然に気分が滅入る。。。



スロヴァキア。チェコと分裂して国であるがチェコプラハに比べれば観光地化されてない首都プラチスラヴァ。ハプスブルグ家のマリアテレジアの居城があったとこで有名。ここヨーロッパは世界史の知識がたくさんあればある程、旅行も数倍楽しくなる。思い起こせば高校の頃は世界史がすごいおもしろくって、資料集と地図帳を眺めるのがすごい好きだった。そこで自分がまるでその中世の時代に住んでるかのように妄想する。。。そうすると名前も地名も自然に頭に入ってくる・・・。


その好きな世界史の中で最も好きなとこだったハプスブルグ家と神聖ローマ帝国のあたり。マリア・テレジアエリザベートマリー・アントワネットなどなど。。。彼らの縁の地はそうなんだろうか?と考えながら、プラチスラヴァ中央駅に降り立つ。



雨が降りしきるプラチスラヴァ。今までのどこの首都よりもこじんまりとしていて、質素で飾り気のない町並み。ヨーロッパ現代アートを扱ってる国立ギャラリーに行き、旧市街をうろつく。。。そして小山にあるプラチスラヴァ城へ行く。飾り気のない城。「ここにマリア・テレジアが住んでたのか〜」と感慨深けに思う。さすがに高校の頃にあれだけ頭につめこんだ世界史の知識もほとんどなくなっている。。。


小雨なのか雪なのかが降っているのに、傘をさす気力がない。思えばルーマニアから人とまともに会話してない。一人で旅行すると話し相手に困る場合がきっと出てくる。人と話してないと気分が滅入る。そして無気力になる。悪循環だ。プラチスラヴァはあまり観光客がいない。でもアジアには感じられない暖かさもなく、むしろヨーロッパの冷たさが身に染みる。こんなこと書いたらスロヴァキアの人に怒られるかもしれないが。


ここでは気分が滅入っていた。旅もちょうど折り返し地点だったので、旅の疲れなのか、はたまた今後の旅の前途多難さによって憂鬱になったのか・・・。それとも日本語が恋しかったのか。。。


スロヴァキアで一日滞在する予定だったが、夕方にスロヴァキアを発ってオーストリアへ行くことにした。プラチスラヴァからオーストリアのウィーンまで電車で2時間弱。


芸術の都、ヴィエナことウィーン。ここには一年前から好きになったシーレとクリムトの美術展があり、今回の旅の大きな目的の一つ。「ウィーンまで行けば気持ちも晴れるかもしれない」と期待を寄せながら冷たい雨の中を電車で向かう・・・。

続く。