文章能力

 
 「文章能力」ってすごい大事だよね。。。と最近つくづく思う。


ブログを始めた動機も文章の表現力を豊かにするためが含まれてる。。。


でも、このブログの目標は文章能力がどうかじゃなくて。。。


「こんな文章を書くやつに一回会ってみたい」と思われるようなブログにしてみたい。


文章を見るだけで「こいつに会ってみたい」と思わせるような文章!?


って何だろう・・・???




マイブッダを書く、KenさんはNさんのブログのことを「ワタクシ、この人に会ってみたい」と思わせた程、魅力あるものだったらしい。。。確かにNさんの文章は強気な部分と弱い部分をすごい表していたような気がする・・・読んでいておもしろかったよ



高校の友人Fumiya君は友達の名前を使って、A4で50枚くらいに及ぶ膨大な量の連載物語を書いた。。。ここに載せたいのだが、プライベートなこともあるので控えるけど笑。
その文章にはFumiya君のユーモアさが溢れ出していた。。。


mixiのharefumamさんはちょっと前に、わざわざ自分のための物語みたいなものを書いてくれた。
これを見た時、一回会ってみて色々話してみたいな〜と思ってしまった。それほど魅力ある文章だった。


みんなそれぞれ違うんだなぁと思った。


やっぱり素直に書くことが大事だなぁって。


だから日記を書くときはいつも衝動で、

だから10分くらいでストレートに書いてしまう。。。

そっちのほうが魅力的な文章になると思うから・・・



これはharefumamさんが書いてくれた文章です。
本当すごい、展開の仕方がうまいです!
(ちょっとお借りします。。。)


「これで最後だ。」
部屋に残っていた最後のダンボール箱のテープを剥がす。
就職が決まり、住み慣れた土地を離れ、新しいこの土地に引越しして来て4日目。やっと荷物の整理も済み、部屋も少しずつ自分に馴染んできた。海が見えるこの土地を選んだのは、大学時代に過ごしてきた土地への愛着からだ。
見知らぬ土地で生活するのは少し不安だが、海が見える分心が落ち着く。全く別の場所であるが、海という共通点が学生時代の生活と今これから始まる新しい生活の繋がりを持たせていた。
「周りの様子でも見に行くか。」
tomoyaはそう言うと、部屋の鍵と自転車の鍵を手に取った。
外はまだ風が冷たい。
tomoyaは自転車に乗りながら、何処へ行くか特に決めることもなく進み続ける。まだ馴染みの無いこの街。周りは見知らぬ人ばかりなはずなのに、人込みの中につい昔の彼女を探してしまう。
「もういいかげんやめないとなぁ・・・」
tomoyaは、自分自身でもこの踏ん切りのつかない思いを持て余していた。
「いずれ時が解決してくれるさ・・・」
今はそう考えるようにしている。


暫く行くと、駅前の大きなショッピングモールへ着いた。
「まずは、本屋とCD屋だな。」
プラプラと歩き回り本屋を探す。
「男なのに絵本が好きなのか?」
以前誰かにからかわれたことがあるが、tomoyaは絵本が好きだ。
絵本は決して子供のためだけのものではない。美しい絵と、選び抜かれた言葉で人の心を動かすことの出来る芸術だとtomoyaは思っている。
時々、なんでみんなこの良さが解らないのか不思議に思うことさえある。tomoyaが特に気に入っているのが「Lisa and Gaspard」だ。ただ、この本にはほろ苦い思い出も付いて回るので、見るとちょっと胸がキュンとなる。
手に取って見つめていた絵本を棚に戻し、店を出る。
次はCD屋だ。やっぱり脚が向いてしまうのは「中島美嘉
メロディーが頭に浮かぶと同時に、その曲を聞いていた時の風景までもが蘇ってくる・・・・
「昔のことは、忘れた方がいいよ。」
友達からはそう言われる。
「新しい恋をすれば気持ちも晴れるさ。」
そうかもしれない。
でも、tomoyaは振り返り自分の気持ちを1つずつ確かめて行くことも今の自分にとっては必要なことなんだと感じている。
「俺は俺のやり方で行くさ。」
tomoyaは周りの人にそう答えていた。

周りがすべて知らない人ばかりだとやはり少し寂しいので、tomoyaは気に入ったお店を見つけてそこの常連になろうと思っていた。
モールの中を見て回ったがピンと来る店は無かったので
「会社の方にでも行ってみるか。」
と呟き、駅に向かう。
どの電車を使うか解らなかったが、見慣れない土地の名前が沢山書いてある路線図と暫くにらめっこをして会社がある場所を探しだす。
アメリカに居たことを思えばチョロいもんさ。」
tomoyaは1年間のアメリカ留学で自分が成長した事を実感していた。あの頃の苦労を思い出すとそれを克服できた自分に対して誇らしい気持ちになる。だから、ここでの生活も少し不安だが「何とかなるさ。」と大きく構える事ができた。
自動改札を抜け、電車を乗り継ぎ会社へと向かう。駅に着いたのはいいが、その先どちら側に歩けばいいのか迷った。
グルグルと歩き回っている間に、並木の美しい道に出た。
「どっちに行けばいいんだ?」
tomoyaはわき道に入り、右斜めに延びてる細い道へと入って行った。
「こっちじゃないな。」
そう思ったものの、突当りにある店が気になる。
オレンジシャーベット色の外壁と木で縁取られた窓もtomoyaの美的感覚を擽った。
吸い寄せられるように近づくと「kyororin」と小さく書いてある。
「ここはなんなんだ?」
そう思いながらおそるおそる木のドアを押す。中からはトマトソースの匂いがしてきた。
「こんにちは。」
カウンターにいる女性がにこやかに微笑んだ。
tomoyaはその笑顔を見た瞬間にこの店が気に入った。
「入っていいですか?」
「どうぞ。どうぞ。ようこそいらっしゃいました。」
tomoyaはカウンターに腰掛ける。
「あの・・・メニューはどこですか?」
女性に尋ねる。
「ウチはメニューは無いんです。でも、とびきり美味しい物をお作りします。」
ニッコリしながら答える女性を見てびっくりしたが、それと同時に穏やかな不思議な気分になった。
「変わってますね。」
「はい。ご心配なさらなくて大丈夫ですよ。」
こんなことを普通の店で言われたら腹が立つが、ここでは何故か平気だった。
「じゃあ、お任せします。」
自然とそんな言葉が出た。
「はい。」
「街をお歩きになった感想はいかがでしたか?」
「えっ?」
「こちらは初めてでいらっしゃるんですよね。」
「どうして解るんですか?」
「なんとなくです。」
女性は言っていた。
「実はもうすぐこの近くの会社で働き始めるんです。今日はその下見に来ました。」
「まぁ、それは良かったですね。」
「良かったのかなぁ・・・俺としては正直もう少し学生を続けていたかったんですけどね。」
「何か新しい事を始める時、ワクワクしませんか?」
「それはそうですけど、今回は就職ですからね。自分の自由が無くなってしまう不安はありますよ。」
tomoyaはそう言って、なんとなく自分の腕時計に目を落とした。
「無くしたと思っていた物は、実は案外近くにあったりするんですよ。そこにあることに、ただ気が付かないだけなのかもしれません。」
カウンターの女性が言った言葉を聞いて、tomoyaは腕時計から女性の方に目を向けた。じんわりと言葉の意味を理解していきながら
「そうかもしれませんね。」
「はい。」
「不思議ですね。」
「何がですか?」
「あなたに言われると、初めて会った人の言葉なのに素直に聞いてしまいます。」
「そうですか?」
「なぜだろう?」
「なぜでしょうね?」
2人は笑った。
「それでは、料理を作らせて頂きます。」
女性はそう言うと料理に取り掛かった。
「お店の名前変わってますね。」
料理を作り始めた女性にtomoyaは言った。
「私の名前なんですよ。」
「えっ?なんて読むんですか?」
「きょろリンです。」
「きょろリンさんですか。随分可愛らしい名前ですね。」
「お恥ずかしいです。」
「じゃあ、これからはきょろリンさんとお呼びします。」
「はい。」
ボウルにコーンミールと小麦粉を入れ、ベーキングパウダー・塩を加えて混ぜ合わす。他のボウルで卵と牛乳・溶かしたマーガリンを入れ、2つのボウルの物を混ぜ合わせた物をオーブンで焼き始めた。
tomoyaはもしかして、コーンブレッドかなと思ったので
「それはコーンブレッドですか?」
と訊ねた。
「はい。」
「懐かしいなぁ。アメリカに留学した時よく食べました。」
「まだ、他にもご用意しますね。」
冷蔵庫からグリーントマトを取り出し、コーンミールと小麦粉・砂糖を混ぜ合わせた衣に付けて揚げていく。
「留学中は色々大変でした。何もかも一人でやるのは精神的にしんどいですね。特に最初の頃は言葉も通じなかったし・・・・」
「私は困難を乗り越えた人は素敵な方が多いから好きなんです。自分が辛い思いをした分、相手の辛い気持ちが理解できるんでしょうね。それはとても大切な事だと思います。」
きょろリンさんは、次の料理の準備を手際良くやりながらそう言った。
tomoyaはきょろリンさんが料理を作っている間、この先どうしようと考えているのかや、アメリカでの経験で人生観が変わった話などをした。自分でも不思議なくらい、色々な話を今会ったばかりのきょろリンさんに話している。
「お待たせしました。」
そう言ってカウンターの上に、コーンブレッド・フライドグリーントマト・コーンチャウダーが置かれた。
「わぁ、美味しそうです。」
「ありがとうございます。」
「頂きます。」
「はい。」
そんな会話をしている時、tomoyaはふっと何できょろリンさんは、俺が南部に居た事が解ったのか不思議だったが、この心地良い空間ではそんなことどうでもいいような気持ちになっていた。
「美味しかった。ご馳走様。」
「喜んで頂けて嬉しいです。」
「また来ます。」
「はい、お待ちしています。」
tomoyaは店の外に出た。なんとなく、外の風景がさっきと違っているように見える。
「ええっと、そういえば俺は会社を探してた途中だったんだな。」
そう思いながらも、素敵な店を見つけられた事に満足していたので、会社までの足取りは軽かった。
「ここでの生活が好きになりそうだ。」
そんな予感がした。





           完